半坪ビオトープの日記

山梨岡神社、拝殿


石和温泉駅北東の御室山(みむろさん)の麓に山梨岡神社がある。崇神天皇のとき疫病が流行し、厄払いのため勅命をもって創建されたと伝えられる延喜式式内社である。成務天皇のときに、麓のナシの樹を伐り拓いて社を遷し、「甲斐ヶ根・山梨岡神社」と号したため、山梨郡の名がおこったといわれる。

境内には、郡石(こおりせき)という八代・山梨両郡の境界石もある。この地が鎮目といわれるのは、往古に軍団が群れ集まった名残と考えられている。

笛吹市指定文化財(天然記念物)に指定されている藤の木の花は、4月下旬から5月上旬にかけて満開となる。普通は藤棚に下がる花だが、この藤の木は隣の杉の木に登っていき、上の方でも花開くのでとりわけ見事といわれる。

境内中央に芭蕉の句碑が建つ。貞享3年(1686)芭蕉庵で月見の宴を催した折の句で、芭蕉43歳のときである。
夕月や池をめくりて夜終(よもすから)  芭蕉

拝殿は、桁行5間梁間4間の入母屋造平入で、屋根は桟瓦葺き(当初は茅葺き)である。元禄15年(1702)の建立で、仏堂を想起させる雰囲気を有する。

祭神として、大山祇命・別雷神・高龗神(たかおかみのかみ)を祀る。