半坪ビオトープの日記


大洗磯前神社は、酒列磯前神社と対になっているのだが、一回りも二回りも大きい。
県道を跨いで建っている、大きな一の鳥居をくぐって小高い駐車場に上ると、神門前の階段下の道路脇に二の鳥居と海が見下ろせる。
磯前神社の二神降臨の地を神磯といい、海上の岩の上に神磯の鳥居が建っているというのだが、それは見残してしまった。

大洗磯前神社の創建は、酒列磯前神社と一緒で、「文徳実録」によると斉衡3年(856)同じく戦乱によって中世に荒廃するが、水戸藩徳川綱條により再興される。
大きな随神門は、正面三間、側面二間、切妻造銅板葺きで、江戸時代末期に建てられたという。随神門の前には茶色の狛犬が鎮座している。

「文徳実録」によると、斉衡3年に常陸国鹿島郡大洗磯前に神が現れたという。ある夜、製塩業の者が海に光るものを見た。次の日、海辺に一尺ほどの怪石が二つあった。次の日、小石が怪石の回りに侍坐するように現れた。怪石は僧侶の姿をし、神霊は人に依って「われは大奈母知(おおなもち)・少比古奈命(すくなひこなのみこと)である。昔、この国を造り終えて東の海に去ったが、今、人々を救うために再び帰ってきた」と託宣した。そこで大己貴命を大洗に祀り、少彦名命を磯崎の酒列に祀り、両社の創建となったという。創立当初から東国の総守護神とされたようである。拝殿の前には狛犬の代わりにカエルが鎮座している。

ひっそりと杜の中にたたずむ酒列磯前神社とうってかわって、観光地化した大洗磯前神社には参詣の人が絶えないようだ。

拝殿の左脇奥には、末社が三つ並んで祀られている。
左から大物主命を祀る大杉神社、罔象女神(みつはのめのかみ)を祀る水神社、玉依比売命外を祀る八幡宮と並んでいる。

大杉神社は茨城県稲敷市の大杉神社を中心とする信仰であり、現在の祭神は大物主神であるが、あんば様として信仰されている。