半坪ビオトープの日記


湯の華小路を抜け出た118号線沿いの公会堂の脇に天神神社がある。117段の長い急な階段を気合いを入れて上っていく。

旧下田村名主、加畑屋が江戸期以前に寄進したといわれる階段を、赤い手すりを伝って上り詰めると鳥居がある。

鳥居の右脇に磐を抱くように根を張った神木、スダジイの巨木が聳えている。鳥居をくぐると広い境内が開けている。

右の拝殿の右手に小祠が祀られ、江戸頌徳年代(1711-16)に再建されるまで天神様が鎮座していたという。
天神様の祭神は菅原道真だが、古代からはいわゆる自然神、雷神、また太陽崇拝、天神信仰だったものと推察されている。
天平勝宝3年(751)行基創建と伝えられる真言宗蓮台寺が、鎌倉承久年代(1219~21)に廃寺後、この丘に大日堂が建立され永年村人に祀られてきたという。

社殿左の白い大日如来堂に安置されている大日如来座像は、廃寺になった蓮台寺の本尊である。鎌倉時代初期の作と伝えられる、平安後期の様式を残した傑作で、座高114cm、檜の寄木造りは漆箔で優美な表情がうかがえる。国の重文に指定されている。
なお、台座、光背は江戸時代の修復品という。
脇に立つ四天王立像は、江戸時代初期の作といわれる。

拝殿奥に連なる本殿はよく見えない。毎年10月の例大祭における神輿の宮入では、急な階段を一気に駆け上がる勇壮な場面が見所とされているので、いつか見てみたいものだ。