半坪ビオトープの日記


福島県庁南にある御倉邸は、旧日本銀行福島支店長役宅として、昭和2年に建てられた瓦葺き平屋の純和風建築である。
福島の市街地には古い建物が少なく、平成12年に市が取得し整備して一般に開放している。

建物には応接室、洋室、和室など10室ほどあり、大邸宅といえよう。応接室は、戦後に進駐軍に利用されたため洋風に改装されている。

数多い和室では毎月市民茶会が開かれるなど、市民の憩いの場として親しまれている。和室のうち最も大きいこの部屋は、10畳と8畳、通しで使える。

阿武隈川を借景にした庭園が美しい。対岸の丘陵は桜の名所ともなっている弁天山公園である。

畳廊下や庭に面したガラス戸が昭和初期の昔の雰囲気を醸し出している。東日本大震災ではかなり揺れたにもかかわらず、ガラスは1枚も割れなかったという。

庭には展望デッキやお休み処として「おぐら茶屋」が設置されている。さらに平成23年には旧米沢藩米蔵が復元された。

御倉町川岸は隈畔と呼ばれ、舟運の拠点であった。城主蔵(板倉藩)、御城米御蔵(年貢米)、会津藩米沢藩などの廻米御蔵が立ち並んでいたという。その川岸は、昔の石積み護岸の船着場に再現されている。青い天神橋の彼方には黄緑色の大仏橋(おさらぎばし)が見える。