半坪ビオトープの日記


福島市のシンボル的存在である信夫山は、市街地北部にある標高275mの山で、西の羽山(湯殿山)、中の羽黒山(谷山)、東の熊野山(金華山)の信夫三山の総称であり、青葉山、御山の別名もある。古代から山岳信仰で栄え、羽黒神社には日本一の大わらじが奉納されている。
信夫山の麓には黒沼神社と護国神社がある。黒沼神社は、延喜式内社の古社で、祭神は黒沼大神と石姫皇后であるが、創建年代は不詳で縁起には諸説ある。社伝では、第13代成務天皇(約1780年前)の時代に当初祀られたという。

主祭神は黒沼大神だが、闇御津羽神とする資料もある。黒沼大神とは、昔当地が湖水だった頃の水神である。
相殿に祀られる石姫命は、第29代欽明天皇(1199~1231)の皇后で、皇子・淳倉太命の後を追って陸奥国に下向したが、当地で崩御したという。石姫命の御陵ともいわれる、信夫山山上にある月山神社には淳倉太命の鏡を祀り、羽黒神社には淳倉太命の御霊を祀っているという。
社殿の屋根には、当社の紋という菊紋と桐紋が付けられている。拝殿の後方に神明造の本殿がある。

信夫山西端の烏ヶ崎に展望台があるので上っていくと、月山神社の駐車場に「羽山廃寺跡」があった。ここは堂平といい、古くから御堂が建てられていたと伝えられていた。昭和15年に上手の月山神社付近から、古鏡29面、仏具、建築用金具などが多数出土し、大日堂、阿弥陀堂、三重塔などの遺物であることが判明した。そこで古くから伝わる羽山寺の名にちなみ羽山廃寺跡としたという。

駐車場から細い道を上ると、小さな月山神社がある。月読命を祭社とするが、黒沼神社にゆかりのある淳倉太命の鏡を祀っている。

月山神社から更に少し上ると、林の中に石の吾妻権現が現れる。

林の中をなおも進むと湯殿山神社があり、その脇に月山、羽黒山湯殿山大神千人講中の石碑が建っていた。

広くなった山道を進むとようやく烏ヶ崎展望デッキに出る。福島市街地を一望でき、遥か彼方には吾妻小富士や一切経山などが連なる磐梯吾妻高原が見渡せる。大パノラマの夜景が見えるスポットとしても人気がある。