半坪ビオトープの日記


三俣宿にある伊米神社は古くからの山岳信仰の山、苗場山の里宮である。
奥の院苗場山山頂にあり、苗場山の山開きもこの里宮で行われる。

祭神は九柱だが、御神体は二柱の神で、農耕と山の神を意味し、俗に十二様と呼ばれ、祭日も7月12日と定められている。
嘉永元年(1848)に行者の勇道坊一心という人が「苗場山略縁起」を書いている。苗場山の祭神は七社で、作神様として祀られた。伝説では、法印霊雲上人(天台宗大阿闍梨)が苗場山に登ったとき、白髪の老人が現れ「吾はこの山の地主神である。吾とともに五穀豊穣、生物群生、国土安堵を擁護すべし」と伝えた。上人はここに伊米神社を開山した。このとき龍ガ壺という洞穴に七仏薬師堂を建立して、鰐口を奉納したという。

祭りで担がれる神輿は、200年ほど前に京都で作られたものが、北前船で新潟まで、さらに信濃川・魚野川の川船で六日町まで運ばれてきたという。例祭では、11日の宵祭りには太々神楽が奉納され、翌日の本祭りには神輿が練り歩き、賑やかな踊りが披露される。
延喜式にも名がある由緒ある神社であるというが、小千谷市にある伊米神社の方が式内社だろうという説もある。

境内には古い石塔がいくつもあるが、残念ながら由緒はわからない。

社殿の床下に珍しいヒカリゴケがたくさん見られる。金網が張って保存されていて、まばゆいほど緑色に輝いている。

境内を横切って流れる伏流水は、とても冷たく、流れにまかせる水草も涼味を感じさせる。