半坪ビオトープの日記


当麻寺山号二上山法号禅林寺という。現在信仰の中心になっているのは本堂の当麻曼荼羅だが、創建時の本尊は金堂の弥勒仏である。宗派は高野山真言宗と浄土宗の並立となっている。
入母屋造、本瓦葺きの金堂は、鎌倉時代の再建で重文に指定されている。

金堂の本尊である塑像弥勒菩薩座像は、当麻寺草創期の天武朝(681)の造像と推定されている。寺の本尊像を塑像とするのは比較的珍しく、現存する日本の塑像としては最古級の一つであり、国宝に指定されている。撮影禁止なのでパンフの切り抜きを載せる。

金堂の内部は土間で、須弥壇の四隅を護る四天王像の作例としては法隆寺金堂像に次いで2番目に古く、白鳳時代の乾漆像としても日本で最古に属する。
多聞天像が鎌倉時代の木造となるなど、ほかのものも補修のあとがあるが、ともに重文に指定されている。切り抜きで見るように、この持国天像が比較的当初の部分を多く残しているそうで、後世の四天王像が一般に激しい動きと威嚇的ポーズを取るのに対し、穏やかな表情が印象的である。

本堂から金堂を眺めると裏の方に東塔が見える。初重は通常通り3間だが、二重、三重を2間(柱が3本立ち、柱間が2つで、日本ではきわめて異例)とする特異な塔である。仁王門から見ると右にある講堂、左にある金堂の間の奥に本堂がある伽藍配置は珍しく、金堂の左(南)に縦に東塔、西塔の配置があるのも珍しい。近世以前の東西両塔が現存する日本唯一の例としてきわめて貴重とされる。

金堂のすぐ裏にはかなり風化している古い石灯籠がある。白鳳時代の創建当初のもので、現存する石灯籠ではほぼ全形を残す最古の石灯籠とされ、重文に指定されている。