半坪ビオトープの日記


室生寺のある宇陀市から北東に進むと三重県名張市に入る。名張から南東に青蓮寺川の上流に行くと紅葉の名所、香落渓(こおちだに)となる。
一帯は室生にて1500万年前に起こった火山の噴火によって堆積した安山岩で構成され、その後浸食され続けて柱状摂理による壮大な崖が両岸に聳え立つ渓谷となった。

羅漢岩、屏風岩、鹿落岩、鬼面岩、天狗岩などと名付けられた岩を眺めながら進むが、どこにも人家はなく標識もないので、次から次へと現れる岩がどれだかなかなかわからない。道もかなり狭いので、標識を立てて車が止まれば交通に支障が生じるからかもしれない。

香落渓は青蓮寺湖上部の香落橋から奈良県境の落合まで6kmをいう。落合手前の紅葉谷にようやく香落渓の案内図があったがもう少し進んだ。

落合の先は奈良県の曽禰村となって、小太郎岩、兜岳、鎧岳、天然記念物の屏風岩などと奥香落渓の奇岩・奇勝が見られるというが、落合で引き返すことにした。

これがもっとも柱状摂理が目立つ岩なので、屏風岩と思われる。天気が思わしくないせいか、名前がはっきりしないせいか、ただ車で行き来しただけだからか、残念ながら香落渓には期待したほどの魅力を感じなかった。

帰りがけに青蓮寺湖をもう一度眺めたが、小雨が降ってきたせいか湖畔の新緑も今すこし映えない感じがした。