半坪ビオトープの日記


室生寺周辺は太古の火山活動によって形成された場所で、そこに室生山がある。大和の日の出の山として知られる三輪山の麓に、桧原神社という古社があるそうだが、そこは古墳時代の初頭に太陽の神として天照大神を祀ったという。その桧原神社の真東にこの室生山があり、さらに真東に伊勢内宮の元の社地とされる伊勢の斉宮跡があって、太陽祭祀にまつわる「太陽の道」の線上に室生山があるとも考えられている。
室生寺の背後の室生山は、新緑の木々が杉木立に映えて何ともいえぬ風情に包まれていた。

室生寺の上流に杉の巨木に囲まれた、室生龍穴神社がある。龍穴神社は室生寺よりも古く、室生寺こそ龍穴神社の神宮寺ともいわれて龍王寺と呼ばれていた時期があったという。

龍穴神社は延喜式(967)内の古社で、祭神は高靇神(たかおかみのかみ)を祀る。雨乞いの神として知られ、ここでは今でも雨乞いの行事が行われている。

由緒書きによると、高靇神は、イザナギがその子カグツチ神を斬り殺した時生まれた神で、水火を司るという。貴船神社と同じ水神を祀っている。

入母屋造の拝殿には「善女龍王社」の額がある。弘法大師が神仙苑に雨乞いを行った際に現れた龍王で、雲に乗る龍神の背に立ち宝珠を盛った鉢を持つ、龍を統べる女神とされる。

拝殿の裏の瑞垣内に朱色に彩られた本殿がある。さらに奥には天岩戸や奥宮(龍穴)があるという。