半坪ビオトープの日記


金堂と弥勒堂の一段上方には、本堂である灌頂堂がある。真言密教の最も大切な法儀である灌頂を行う堂で、真言寺院の中心である。
延慶元年(1308)建立の五間四方入母屋造の桧皮葺きで、内陣と外陣を板扉で区画している。堂内中央の厨子には本尊の如意輪観音座像を安置している。

さらに石段を上ると小さな五重塔が建っている。石段の両側には満開のシャクナゲの花が艶やかに咲いている。

平安時代初期の建立で、屋外の木造五重塔では、法隆寺塔に次ぐ古さであり、国宝・重文の屋外木造五重塔では日本最小(高さ16m強)である。屋根の勾配が緩く、軒の出が深く上層階でも余り小さくならないなど特色が多い。石段の下から見上げる視覚的効果を考慮しているようだ。左の石段を上ると奥の院の位牌堂と御影堂に行きつく。途中には暖地性シダの群落(天然記念物)があるという。

通常の塔上部にある九輪の上の水煙という相輪の代わりに、この塔では珍しく受花つきの宝瓶(ほうびょう)と称する壷状のものが乗っている。その上にあるハ角形の飾り物は、傘蓋(さんがい)と呼ぶ。

帰りがけに護摩堂の前を通った。護摩堂とは、真言宗などの密教寺院で護摩木を焚く護摩の修法を行う仏堂であり、毎朝ここでその修法が執り行われているそうだ。

GWの前半だったが、シャクナゲの花は境内の至る所で色鮮やかに咲いていた。