半坪ビオトープの日記


登廊を上がりきると本堂大悲閣がある。本尊の大きさに合わせて造営され、本堂内陣と礼堂外陣と懸造舞台が山に迫り出している。
本堂は創建以来幾度も焼失し、その都度再建されてきた。現存の本堂は、慶安3年(1650)に徳川家光の庇護を受け、5年の歳月をかけて再建した国宝建築物である。

礼堂外陣からも本尊である大きな十一面観音菩薩像を拝むことができる。

特別拝観料を払うと、本堂内陣に入って本尊を間近に仰ぎ見たり、本尊の足に触れることができる。内陣をぐるりと回ると、裏観音という小さな十一面観音菩薩立像や徳道上人座像なども見ることができる。

本尊の十一面観音菩薩立像は、徳道上人が造立して以来、度重なる火災により再造を繰り返してきた。現在の本尊は、天文7年(1538)に大仏師運宗らによって造立された像高10m余りあり、日本で最大の木造仏といわれ重文に指定されている。
パンフの切り抜きで見る通り、右手に錫杖、左手に水瓶蓮華を持ち、方形の大盤石の上に立つ、いわゆる長谷寺式観音という。

初瀬山の中腹にある長谷寺は緑の森に囲まれ、本堂の懸造舞台から南を見渡しても森の中に多くの伽藍が見渡せる。正面の大木は、登廊の途中に立つ樹高が約60mといわれる天狗杉である。

西には木々の間から五重塔の姿が見える。