半坪ビオトープの日記


桜井市の東、初瀬(泊瀬)の地に建つ長谷寺は、全国に3000余りの末寺を擁する真言宗豊山派総本山で、朱鳥元年(686)道明上人が天武天皇のために「銅板法華説相図」(千仏多宝仏塔)を初瀬山西の岡に安置したことに始まるという。朝早いせいか、あちこちでお坊さんが掃除をしている。

その後、神亀4年(727)徳道上人が東の岡(現在の本堂の地)に本尊十一面観音菩薩像を祀って開山したというが、伝承の域を出ない。
これが初瀬山であり、長谷寺はその中腹にある。

仁王門の手前参道の右側に普門院不動堂がある。創立は不明だが、平安後期作の不動明王座像を本尊として祀っている。

長谷寺の入り口にあたる仁王門(総門)の創立は平安時代中期とされているが、何度か焼失している。
現在の仁王門は明治18年(1885)に再建されたものであり、建築様式は入母屋造本瓦葺きである。

勅額は後陽成天皇(1586-1611)の宸筆である。楼上に十六羅漢を安置し、左右には仁王像(金剛力士像)が立っている。

仁王門の柵には願掛けか、成就の礼かわからないが、千羽鶴や草鞋などがいくつも架かっている。