半坪ビオトープの日記


花期が4月〜6月と初夏の花として人気のあるルピナス(Lupinus polyphyllus hybrids) が早くも咲きだした。ルピヌスという属名は、ラテン語 lupinus(狼の)に由来し、吸肥力が非常に強い特徴を貪欲な狼にたとえたものとされる。
和名はハウチワマメ属。マメ科で、根生葉が掌状複葉であることに由来する。花の様子がフジに似ており、花が咲き上がるため、別名はノボリフジ(昇藤)という。英名は、ルーピン(lupine)という。

ルピヌス属は約300種からなり、南北アメリカ南アフリカ、地中海沿岸に分布するが、多くは北アメリカ西部に自生する。
古代エジプト時代から食用、飼料用、薬草、石鹸などに利用されていた。日本には明治時代に緑肥用として導入されたが、現在はもっぱら園芸用である。

最も知られる園芸品種は、カリフォルニア以北に自生するポリフィルス(L. polyphyllus) を改良したラッセルピナス(Russell lupines) で、草丈150cmにもなる。花色には、青紫、桃、赤、橙、黄、白などがある。
耐寒性が強い多年草だが、夏の高温多湿に弱く、園芸上では一年草として扱われる。近年は、矮性で高さが50cmほどにしかならない、ラッセミナレット(R. Minarette strain) という系統がよく出回っている。