半坪ビオトープの日記


後生掛温泉のすぐ下に大沼湿原があり、遊歩道で大沼を約20分で一周できる。湿原にはタチギボウシが群生し、遊歩道わきにも多くの花が咲いている。

この紫色の花は、日本全国の山地の湿地帯に自生する、ミゾカクシ属のサワギキョウ(Lobelia sessilifolia) である。高さは1mほどになり、花冠は5裂して美しい。

夏から秋にかけて紫色の特異な形をしたトリカブト(鳥兜)が山地の林の中に咲きだす。トリカブトとは、花の形が舞楽の時にかぶる兜(鳥兜)に似ていることによる。
種類が多くて特定することは難しい。上の花は、本州の中部以北に分布するヤマトリカブト(Aconitum japonicum var. montanum) と思われる。

次の花は、中部以北および北海道に分布する、オクトリカブト(A. japonicum) と思われる。トリカブトの葉や根は周知のように有毒で、古来より矢毒に使われたほか、魔女が幻覚を起こすのにも使われた。矢毒に使用しても動物の体内で有毒成分は加水分解して無毒化し、肉は食べられるという。

湿原には、八幡平頂上の周遊コースでも随所に生えていた、モウセンゴケ(毛氈苔、Drosera rotundifolia) が見かけられた。モウセンゴケ属はコケ類ではなく、白い花も咲く食虫植物で、世界に90種ほど広く分布し、その3分の2はオーストラリアにあり、乾季にもよく耐える。
日本のモウセンゴケは全国の湿地に自生し、紅紫色の粘着性の腺毛で小さな虫を捕え、腺毛から出る分泌液で消化する。