半坪ビオトープの日記


湿原でよく見かけるのは、このタチギボウシ(Hosta rectifolia) で、コバギボウシ(H. sieboldii) の北方変異型とされ、紫色も濃く立ち姿がよく目立つ。

湿原の水辺には丸い葉が特徴のイワイチョウ(岩銀杏、Fauria crista-galli) の花がまだ咲き残っていた。イワイチョウは1属1種の植物で、日本の中部以北から北アメリカ西北部にかけて分布する。

黄緑色の風変りな姿をしたこの花は、ラン科ツレサギソウ属のコバノトンボソウ(小葉蜻蛉草、Platanthera tipuloides var. nipponica) という。ブナ帯やシラビソ帯の湿地に生える日本固有種の多年草で、花の距は長く弓状に曲がり、後方に跳ね上がる。その姿をトンボに見立てた名である。
その左の赤い実は、チシマゼキショウ属のイワショウブ(岩菖蒲、Tofieldia japonica) の実で、花は白い。

赤みを帯びた花冠が反り返り、花柱も反り返り奇妙な姿をしているこの花は、ホツツジ属のミヤマホツツジ(Tripetaleia bracteata) という。高さ1mほどの小低木で、花径は約2cm。中部地方以北の高山に自生する。

白い頭花が散房状に集まり咲いているのは、ヤマハハコ属のヤマハハコ(Anaphalis margaritacea var angustior) という。中部地方以北の山地、高原などに自生し、日のよく当たる道端などに群生することが多く、山歩きではよく見かける。