半坪ビオトープの日記

福島

奥州三高湯の一つ、高湯温泉の開湯は慶長12年で、400年の歴史を誇る。江戸時代から「一切のなりものを禁ず」という申し合わせを守り通して歓楽的な開発をせずに、秘湯・湯治場として山間の温泉宿を受け継いできた。 高湯温泉は全国で8番目に、東北で初…

中野不動尊は、800年以上前に恵明道人が不動明王を祀ったのが始まりという。大阪富田林の瀧谷不動尊、成田不動とともに、日本三大不動尊の一つというが、数え方には異説が多い。 境内には厄除・眼守・三ヶ月の三不動明王が祀られ、日本に置ける六三除けの祈…

飯坂町鎮守八幡神社は創建が古く、祭神は誉田別命、息長足姫命、玉依姫命である。社伝によれば、天喜4年(1056)後三年の役で奥州に出陣した源義家が、この地で長くたなびく八条の雲を見て必勝祈願のため八幡神社を勧請したという。 その後の養和年間(1181…

飯坂温泉街にある旧堀切邸は、江戸時代から続く豪農・豪商の旧家で、福島市が観光スポットとして整備し、近年、無料開放された。 堀切家は、天正6年(1578)に梅山太郎左衛門が若狭から移り住んだのが始まりという。現在の主屋は、明治14年再建の近代和風…

飯坂温泉の北西、摺上川岸にある穴原温泉(天王寺温泉)に近い、臨済宗香積山天王寺は、日本四天王寺の一つといわれる古刹で、第31代用明天皇の開基と伝えられる。用命2年(587)厩戸皇子(聖徳太子)が物部守屋を討った後、仏の道を修める道場の一つとし…

杉並木の参道の突き当たりに薬師堂がある。薬師如来を祀り、鯖野の薬師と呼ばれ親しまれている。薬師如来は別名を大医王仏とも呼ばれ、医王寺の名の由来ともなっている。 薬師堂の左奥、大きな奉讃碑の左に乙和の椿と呼ばれる古木がある。義経の忠臣佐藤継信…

飯坂温泉の少し手前に真言宗豊山派の瑠璃光山医王寺がある。石柱には医王密寺と彫られている。山門の右手には貴船神社がある。 医王寺は、天長3年(826)空海作の薬師如来像を祀り、草堂を建てたことに始まると伝えられる。平安時代末に信夫郡を支配した佐…

阿武隈川の崖に向かって赤い虚空蔵堂が立っている。寺蹟「虚空蔵堂記」によると弘仁2年(811)の創建というが、これは元禄16年に死んだ元道和尚の書き残したものを更に「山の記録」としたものによるので、不確かとされる。下って上杉景勝の時代、西根堰の…

福島駅の南4kmほどの所に臨済宗の満願寺(黒岩虚空蔵尊)がある。 山門は宝暦2年(1752)建立である。 山門の向かいには本堂らしきものがあるが、案内図によると客殿となっている。 客殿の前には旧大蔵寺門前の古碑がある。先ほど参観した小倉寺大蔵寺が往…

昨年の秋に開店したばかりだが、予約をしないと入れないという、南福島に近い人気のイタリア料理店、オステリア・デッレ・ジョイエ(Osteria delle Gioie)に予約をしてから寄った。 案の定、12時前でも予約なしで断られて帰る人がいた。カウンター席を入…

大蔵寺の境内には足尾社があり、大わらじが木の幹にかけられている。会津を含めこの地方には大わらじを新しく作り奉納する正月行事が残されている。これは「鬼やらい」の意味と五穀豊穣を祈願したものである。大きな足をもつ鬼よりさらに大きな足をもつもの…

福島駅の南東、阿武隈川を渡った小倉寺山の中腹に臨済宗宝城山大蔵寺がある。 小倉寺千手観音と石碑に書かれてあるように、小倉寺観音と呼ばれ、信達三十三観音第一番礼所となっている。 駐車場には「放射能の値が上がっております。ご注意ください」の古び…

10月初旬に福島に出かけた。福島駅から数km東に文知摺観音がある。文知摺とは、平安時代頃から狩衣などに使われた織物である。草木の紫や藍色で絹に、綾形石の石紋に似せた乱れ模様を付けたもので、信夫郡の文知摺絹はとりわけ有名であった。文知摺の乱…