半坪ビオトープの日記

2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

諏訪大社下社秋宮の鳥居の手前左手には千尋池があり、そこに面して下諏訪町立歴史民俗資料館の裏口がある。友が塩羊羹を買い求めている間に急いで見学した。 建物を通り抜けて表から見ると、明治初年に建てられたこの建物は、江戸時代の宿場の商家の特徴があ…

諏訪大社といえば、最大の行事として「御柱祭」が有名であるが、正式には式年造営御柱大祭といい、寅と申の年に行われる。起源は平安時代以前とされ、五穀豊穣、狩猟・風・水・農耕の神として古くから信仰されていたと考えられている。記紀神話伝説では、こ…

翌日は八ヶ岳山麓原村に住む友人の案内で、諏訪大社下社秋宮を訪れた。諏訪大社は、全国各地に一万以上あるという諏訪神社の本社であり、国内で最も古い神社の一つとされるが、その起源は定かではない。 延喜式では名神大社とされ、諏訪湖の南側に上社本宮・…

霧が晴れ上がるかと思う間もなく、またもやガスってきた。剣ヶ池の畔にはチングルマの小さな白い花が咲き、ウラジロナナカマド(Sorbus matsumurana)の白い花が少し咲いている。 落葉低木のウラジロナナカマドは、北海道と中部地方以北の高山に生え、高さは…

天気が下り坂なので、帰りは休憩なしで八丁坂を下り、千畳敷カールの遊歩道に合流し、なおも雪渓を下る。剣ヶ池が認められないほどガスってきた。 右上に目を向けると、ロープウェイの千畳敷駅から雪渓を横切ってやって来る人も多く、この遊歩道に来る人より…

中岳鞍部への巻き道はほぼ水平なので楽できると思うが、この日初めての南西斜面なので今までと違う花が見られるかもしれないという期待の方が大きい。 と思う間もなく道端に、アブラナ科ハタザオ属のミヤマハタザオ(深山旗竿、Arabis lyrata ssp.kamtschati…

頂上の西側には木曽前岳を経て上松町へと下る登山道があり、すぐ下の頂上木曽小屋から中岳鞍部への巻き道があるのでそこまで下ることにする。 頂上直下は風雪が厳しいため極端に背の低いハイマツなどの植物が地面にへばりついている。頂上木曽小屋の屋根が見…

駒ヶ岳山頂近くの左手にキク科ウスユキソウ属のヒメウスユキソウ(姫薄雪草、Leontopodium shinanense)が咲いているのを見つけた。木曽駒ヶ岳の岩礫地のみに特産する多年草で、日本のウスユキソウ属の中では最も小さく、コマウスユキソウとも呼ぶ。ウスユキ…

中岳から下り始めたところにシオガマギク属のミヤマシオガマ(Pedicularis apodochila)が咲いていた。北海道の日高山脈、中部地方以北の高山帯の草地に生える多年草で、高さは5〜20cmになる。今まで見てきたタカネシオガマに花はよく似ているが、葉の切れ…

群落をつくって咲いている白い花は、バラ科ダイコンソウ属のチングルマ(稚児車、Geum pentapetala)である。北海道、中部以北の高山帯の雪田周辺の砂礫地や草地に生える落葉小低木で、高さは10cmほどになる。葉は羽状複葉、枝は地面を這い、群落をつくる。…

中岳に登り始めると登山道の左脇にコマクサの群落があった。宝剣岳の右手に見える三ノ沢岳(2846m)も大きくその山容をあらわしてきた。 高山植物の女王と呼ばれるケシ科コマクサ属のコマクサ(Dicentra peregrina)は、北海道と中部以北の高山帯の砂礫地に…

目の前に見える宝剣岳(2931m)は、ここまで来ると近くにあって岩の上に立つ人も見える。宝剣岳の裏側には鎖場があるというので今回は行かないが、次回来る時には引き返すつもりで登ってみたいものだ。 とりあえず宝剣山荘に行き、疲れた初心者に休憩をとら…

赤、白、黄色の高山植物の咲き乱れる中を登ってきたが、ようやく乗越浄土に人影を認めることができるほど近づいてきた。 この小さな花は、ナデシコ科ハコベ属のイワツメクサ(岩爪草、Stellaria nipponica)である。本州の北アルプス、白山、八ヶ岳、中央ア…

こちらの黄色いスミレは、高山でよく見かけるキバナノコマノツメ(黄花の駒の爪、Viola biflora)である。北海道、中部以北の本州、四国、屋久島の高山帯の湿ったところに生える多年草で、高さは10cmほどになる。葉は薄くて短毛があり、光沢がない。花柄には…

登山道のまわりには白や赤や黄色の花がたくさん咲いているので、ゆっくり歩きながらどんな花か確かめていくことにする。 一番目につく白くて大きい花は、キンポウゲ科イチリンソウ属のハクサンイチゲ(白山一花、Anemone narcissiflora var. japonica)であ…

千畳敷カールを見下ろすと、白いハクサンイチゲと思われる花を中心にお花畑が広がり、締めくくりに剣ヶ池がある。登山しない観光客は雪渓を横切るものの、この辺りを一周して花を楽しむことになる。雲海の向こうには、甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳、北岳が見えるが…

千畳敷駅の北から北西に向けて千畳敷カールと宝剣岳が見えるのだが、駅舎の裏手、つまり南東の谷を見ると一面に雲海が広がっている。ロープウェイの鉄塔の先に微かに富士山(3776m)が見える。赤石山脈いわゆる南アルプスのほとんどが見えるので、分かりやす…

夜中に起きると満天の星空に流れ星が一つ走った。朝5時半に宿から見ると、雲が少しかかっているが晴れそうだ。右手の中御所谷の奥に宝剣岳(2931m)が小さく確認できる。 駒ヶ岳ロープウェイは、しらび平(1661.5m)〜千畳敷(2611.5m)まで標高差950mを…

三門の先、弁天堂の向かいには細長い池と堀を渡る橋が二つ続き、その先の石段を上がると本堂がある。橋の両側は庭園風になっている。 本堂は嘉永4年(1851)に再建されたものである。本尊の不動明王および八大童子を祀る祈願霊場で、入母屋唐破風造杮葺きの…

光前寺は天台宗信濃五山(戸隠山の顕光寺・長野善光寺・更科八幡神宮寺・立科町津金寺・光前寺)の一つに数えられた。 現在の建物は十棟ほどだが、500年ほど前には本堂、三重塔、仁王門のほか護摩堂、阿弥陀堂、妙覚院、徳寿院、円乗院、中正院、顕明院など…

駒ヶ根市赤穂、駒ヶ根高原にある光前寺は、長野県屈指の大寺であり、南信州随一の祈願霊場として広い信仰を集めている。早太郎伝説と光苔、境内のしだれ桜と庭園が有名である。 光前寺の入口の左(東)にある、駒ヶ根高原美術館は、池田満寿夫、草間弥生など…

7月下旬に友と連れ立って木曽駒ヶ岳に登った。麓の駒ヶ根高原には温泉があるので、前日そこに宿を取り翌朝早く出かけることにした。 駒ヶ根高原には温泉のほか、家族旅行村、地ビールレストラン、高原美術館、光前寺などがあり、散策コースもいくつかある。…

尾瀬ケ原のど真ん中の少し東に建つ竜宮小屋は真っ黒で堂々としていた。湿原に囲まれていて至仏山の夕日、燧ヶ岳の朝日も見られるので、カメラマンの利用が多いという。季節にはホタルも見られるそうだ。 ここからは朝通った道を戻るので、見納めに撮るくらい…

見晴十字路に着く前に木道の脇にミツガシワがいくつも咲いていたので、アップで撮ってみた。花弁の内側に密生する白い毛が特徴であり、下の方は咲き終わり、上の方に赤い色をしたつぼみが残っているので、下から咲き上がっていくのがよくわかる。 こちらの風…

ようやく赤田代分岐に着いた。左が三条の滝、右がこれから向かう見晴十字路で、尾瀬ケ原周遊の折り返し点である。花の写真を撮りながらだが、鳩待峠から3時間10分歩いたことになる。 尾瀬ケ原ではいくつものスミレが咲いていたが、最もよく見かけたのはこの…

ヨッピ橋のたもとに咲いていたのは、ムラサキ科キュウリグサ属のタチカメバソウ(Trigonotis guilielmi)である。本州と北海道の山地のやや湿ったところに生える多年草で、枝先の総状花序に径5〜7mmの白色あるいは淡青紫色の花を多数つける。5裂する花…

中田代の下ノ大堀川の河畔にヤマドリゼンマイ(Osmunda cinnamomea var. fokiensis)の大きな群落があり、この構図はよく撮られている。ヤマドリゼンマイは、日本各地の山地の乾燥気味の湿原に生えるシダで、初夏の黄緑の葉はたいへん鮮やかだが、尾瀬ケ原の…

ようやく山の鼻から2.2 Kmの牛首分岐まで来た。ここで東電小屋へ北に分かれて山沿いに進む道もあるが、もう少し尾瀬ケ原を真っすぐ進むことにする。 木道沿いに池塘があるとついつい燧ヶ岳や至仏山が映らないか確認してしまう。少しでも風があるとさざ波が…