半坪ビオトープの日記

2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

中禅寺の隣には、北条国時開基と伝わる曹洞宗の禅寺、龍光院がある。塩田北条氏の菩提寺で、古くは仙乗寺といい、鎌倉建長寺の末寺であったので、当初は臨済宗であったと思われる。 本堂の屋根の棟には、北条氏の紋所「三つ鱗(三角形三つ)」が刻まれている…

上田市街地の南西に広がる数キロ四方の肥沃な盆地を「塩田平」と呼ぶ。いちばん奥が常楽寺や安楽寺がある別所温泉だが、塩田平の南にそびえる独鈷山(1266m)のふもとには、中禅寺、龍光院、前山寺や、塩野神社、王子神社などの神社仏閣が並んでいる。 茅葺…

別所温泉の中心には大きな北向観音堂がある。本尊は千手観音菩薩で、昔から広く県内外の信者に厄除けの観音様として親しまれている。 「北向」の名は、長野の善光寺の南向きと向き合っていることから名付けられ、善光寺とご利益は一体とされるので、一つを欠…

八角三重塔で知られる安楽寺は、常楽寺と同じ平安初期の天長年間に開かれたと伝えられている古寺である。 1253年、日本初の禅の専門道場として開かれた、鎌倉の建長寺とも深い関係があり、「建長寺は鎌倉で、安楽寺は塩田で、多くの僧が修行し、仏教の中…

常楽寺は、別所温泉にある天台宗の古寺で、常楽・安楽・長楽という「別所三楽寺」の一つである。 本堂に安置されている本尊は、宝冠を頂いた珍しい阿弥陀如来像で、妙観察智弥陀如来と呼ばれている。本堂前の「御船の松」は、樹齢300年といわれる。 常楽…

この週末に信州の鎌倉と呼ばれる別所温泉を訪ねた。別所温泉には、しなの鉄道の上田駅より上田電鉄別所線が走っている。 これはその昔、昭和2年に製造され昭和61年に引退するまで「丸窓電車」と呼ばれて親しまれていた電車で、別所温泉駅に保存されている…

花径15cmほどの大柄な集散花序に淡紅紫色の小さな花を密生させているのは、クマツヅラ科クサギ属のボタンクサギ(牡丹臭木、Clerodendrum bungei) という。 クレロデンドルムという属名は、ギリシア語 kleros(運命)と dendron(木)に由来し、本属のあ…

釣り鐘型の風変わりなこの花も、初夏によく見るキンポウゲ科のクレマチス(Clematis) 属の花である。クレマチスについては昨年度かなり取り上げたので、検索にてそちらを見ていただきたいが、いくつか新しい花を見かけたので追加しておく。 とはいえ、園芸品…

木登り上手のサルでさえ、不覚にも滑り落ちてしまうというこの花は、サルスベリ(Lagerstroemia indica) という。ラジェルストレーミアという属名は、本属の命名者であるリンネの友人で、スウェーデンの生物学者のラジェルストレームの名にちなむ。和名はサ…

毎年見かける風変わりなこの花は、ゴマノハグサ科ラッセリア属のエクイセティフォルミス(Russelia equisetiformis)という。種小名は「トクサのような」の意で茎の様子にちなむ。 園芸上は、ラッセリアと属名で呼ぶことが多く、別名は、ファイアークラッカ…

桃色の美しい花は、ヒガンバナ科ゼフィランテス属のグランディフロラ(Zephyranthes grandiflora) あるいは、カリナタ(Z. carinata) という。一般には、ゼフィランサスともサフランモドキとも呼ばれる。 葉は幅7mmの扁平で、基部は紅色を帯びる。春から…

紅色の美しいこの花は、ベンケイソウ科タキツス属のペルス(Tacitus bellus) という。属名は、「ひそかな」の意のラテン語で、その扁平なロゼットが目につきにくいことにちなむというが、はっきりしない。 メキシコ北部のチワワ州で1972年に発見された多…

可愛らしい白い藤の花は、マメ科ナツフジ属のナツフジ(Millettia japonica) という。ミレティアという属名は、19世紀のフランスの植物学者ミレ(Millett) の名にちなむ。 関東以南の本州、四国、九州、対馬、屋久島、朝鮮半島南部などの暖地に分布する落…

真夏の庭先で力強く咲き続けるこの花は、アヤメ科クロコスミア属のヒメヒオウギズイセン(Crocosmia × crocosmiiflora) という。属名は、ギリシア語 krokos(サフラン)と osme(香り)に由来し、乾燥させた花を湯に浸すとサフランに似た香りがすることにち…

カヤツリグサが巨大化したようなこの草は、カヤツリグサ属のパピルス(Cyperus papyrus) という。紙の起源で有名なパピルス紙の原料である。キペルスという属名は、本属のある種につけられた古代ギリシア名 kypeiros に由来する。 中央アフリカのナイル川源…

もっぱら、ブッドレアという通称名で出回っているこの花は、フジウツギ属のフサフジウツギ(Buddleja davidii) という。バドレヤという属名は、イギリスの植物学者で牧師のバドル(Buddle) の名にちなむ。ダヴィディーという種名は、発見したフランス人宣教…

近年どこでもよく見かける、小さなヒマワリのようなこの花は、キク科のルドベキア・ヒルタ(Rudbeckia hirta) という。属名は、スウェーデンの植物学者ルドベックを記念してつけられた。 北アメリカ原産の耐寒性1・2年草で、牧草地や草原、麦畑など至る所…

5月〜10月と花期が特に長く、真夏の生け垣でハチやチョウがよく集まるこの花は、アベリア属のハナツクバネウツギ(Abelia ×grandiflora) という園芸品種である。属名は、イギリスの植物学者エイブルを記念するもの。和名は、花の落ちた後の萼片の形に由来…

5mmほどの小さな桃色の花が、20〜30cmの花茎の周りに螺旋状に並んで咲くこの花は、ネジバナ(捩花、Spiranthes sinensis) という。スピランテスという属名は、ギリシア語 speira(らせん)と anthos(花)に由来し、螺旋状に咲く花にちなむ。 アジ…

30cmにもなる大きな葉を出しているのは、メギ科のハッカクレン(八角蓮、Podophyllum plleianthum) という。ポドフィルムという属名は、ギリシア語 podos(足)と phyllon(葉)に由来し、掌状葉にちなむ。和名は、ミヤオソウ属という。 中国、台湾原産…

花弁状の大きな白い萼片と黄色い星型の花の組み合わせがとても独特な雰囲気を漂わすこの花は、アカネ科ムッサエンダ属のコンロンカ(Mussaenda parviflora) という。 属名は、本属のある種に対するスリランカでの呼称 mussenda にちなむ。和名はコンロンカ属…

黒っぽいホオズキに見えるので黒ホオズキという別名もあるこの花は、ナス科ニカンドラ属(Nicandra physaloides) の花である。 ニカンドラという属名は、古代イオニアの都市コロフォンの詩人で、植物とその薬効について書いたニカンデルの名にちなむというが…

この特異な形をした植物は、ウツボカズラ目サラセニア科サラセニア属のアミメヘイシソウ(Sarracenia leucophylla) という。 サラセニアという属名は、本属の発見者でヨーロッパへもたらしたケベックの医師で自然科学者のサラザンの名にちなむ。和名はヘイシ…

先日、近くの山野草愛好家のお宅を訪れ花を見せてもらった。あいにく多くの花が花期を過ぎていたのが残念であったが、珍しい花をいくつか紹介させていただく。 この花はウマノスズクサ科カンアオイ属のオナガカンアオイ(Asarum minamitanianum) という。ア…

赤い萼片に黒い実の組み合わせが面白い、ミッキーマウスの木という通称名のこの木は、オクナ・セルラタ(Ochna serrulata) という。属名は、ギリシア語 ochne(野生のナシに対してホメロスが用いた名)による。 南アフリカ原産の常緑低木で、高さは1.5m…