半坪ビオトープの日記

2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

この花はよく知られたホウセンカ(Impatiens balsamina) 。種がはじける様子が面白くて子供のころからなじみがある。 属名は、ラテン語 impatiens(我慢できない)により、果実に触れるとすぐにはじけて勢いよく種子をまき散らす性質にちなむ。 鳳仙花は漢名…

花期の長いマリーゴールドは5月から10月ごろまで咲き続ける。大柄の堂々したアフリカンと小振りのフレンチに分かれる。これはフレンチ・マリーゴールドと呼ばれる、中央アメリカ原産のクジャクソウ(Tagetes patula) で、16世紀にフランスを経てヨーロ…

このように花弁の端が白い覆輪になり、曜部が白くなるのは、ヨウジロアサガオ(曜白朝顔)あるいは単に「曜白」という。アサガオ(Pharbitis nil) とマルバアサガオ(P. purpurea) との種間雑種で、最近よく出回っている。 万葉集にアサガオと詠まれている花…

庶民の夏の花の代表といえるアサガオ(Pharbitis nil) だが、古代中国では高価な薬で牛と取引されたという。中国名は牽牛(けんご)、漢方薬は牽牛子といい、下剤、利尿剤である。 日本渡来は奈良時代末といわれ、中国では4世紀にすでに記録があるが、原産…

子供の頃からどこにでも見られたオシロイバナ(白粉花、Mirabilis jalapa) は、まことに不思議な花である。属名は、ラテン語 mirabilis(不思議な、驚くべき)に由来する。 種小名は、メキシコ産のサツマイモ属の一種で下剤になるイポメア・ヤラッパに根が似…

カンナといって日本で多く栽培されているのはハナカンナ(Cannna × generalis) と呼ばれる園芸品種群だが、原種はダンドク(Canna indica) といわれる。 属名は、ケルト語で「杖」を意味するカナに由来するとも、ギリシア語 kanna(アシ)に由来するともいわ…

八幡平頂上直下にある藤七温泉の近くに蓬莱境がある。オオシラビソやコメツガの鬱蒼とした原生林の中に奇岩・怪石が連続し、迷宮のような自然の大庭園というので訪れたが、湿気が多く視界が悪いのであまり楽しめなかった。 こうした高山の林下でよく見かける…

黒谷地湿原にもイワイチョウ、シロバナトウウチソウ、エゾオヤマリンドウ、トウゲブキなどほかの湿原で見られる花は大体そろっている。 この黄色の小さな花は、イワオトギリ(岩弟切、Hypericum kamtschaticum var. hondoense) という。本州の中部地方以北の…

八幡平頂上の周遊コースは前の日に雨模様の中歩いたので、この日は気軽に行ける黒谷地湿原を訪ねた。駐車場から15分で行ける高層湿原は少ないと思う。 木道のコースに入るとすぐに道端のハチマンタイアザミの花にいろいろな蝶が舞っていた。これはミドリヒ…

翌日は打って変わって晴天となった。また八幡平頂上に向かったが、まだ台風8号の影響が残っているのか雲が湧き出てきた。これは頂上付近から秋田県側を見晴らしたもの。大深沢源流の原生林が見える。 こちらは岩手県との県境にあるもっこ岳(1577m)。山頂…

大沼湿原ではミズギク(水菊、Inula ciliaris) も見られる。中部地方以北の本州と宮崎県の山地の湿地に自生するオグルマ属の多年草。茎はふつう分枝せず、径3〜4cmの頭花を一つつける。 山の迫る斜面には、ホツツジ(Tripetaleia paniculata) が見られる…

後生掛温泉のすぐ下に大沼湿原があり、遊歩道で大沼を約20分で一周できる。湿原にはタチギボウシが群生し、遊歩道わきにも多くの花が咲いている。 この紫色の花は、日本全国の山地の湿地帯に自生する、ミゾカクシ属のサワギキョウ(Lobelia sessilifolia) …

日本全国の山野の湿地帯でよく見かけるウメバチソウ(Parnassia palustris) は、北半球に広く分布している。梅鉢の紋を連想して名づけられたが、瑞々しく清楚な感じが小気味よい。 この白いシオガマは、本州中部地方以北の高山帯に分布するエゾシオガマ(Ped…

湿原でよく見かけるのは、このタチギボウシ(Hosta rectifolia) で、コバギボウシ(H. sieboldii) の北方変異型とされ、紫色も濃く立ち姿がよく目立つ。 湿原の水辺には丸い葉が特徴のイワイチョウ(岩銀杏、Fauria crista-galli) の花がまだ咲き残っていた…

八幡平頂上付近にいくつもある沼の中で最も大きいのが八幡沼で、両岸には立派な避難小屋がある。八幡平周辺は登山道がかなり整備されているが、発生しやすい霧になると視界が利かなくなるので心強い。 沼の斜面にはトウゲブキやハチマンタイアザミ、シロバナ…

八幡平頂上から数分でガマ沼に着く。天気が悪いせいかぱっとしないが、この辺りから次の八幡沼にかけていろいろな花が増えてくる。 道端に多いのは小さな白い花をつけたモミジカラマツ(Trautvetteria japonica) だ。 斜面にはゼンテイカ(Hemerocallis midd…

時折雨がぱらつく中を傘をさしたり閉じたりしながら進む。メガネ沼を見下ろす処で、クルマユリ(Lilium medeoloides) が咲いていた。 高さが30cmほどでコオニユリより一回り小さく、茎の中ほどに10枚前後の輪生葉を付けるのでこの名がある。 沼の斜面…

翌日は松川温泉から樹海ラインを八幡平へ向かった。八幡平は岩手・秋田県境にある、八幡平、秋田駒ケ岳、秋田焼山、岩手山の四つの活火山のうち唯一噴火記録を持たない火山だが、噴気活動は盛んである。途中、勢いよく蒸気が噴出している「太古の息吹」があ…

盛岡から八幡平に向かう途中に岩手山(2038m)が秀麗な姿を見せているはずだったが、あいにくの曇天で全く見えない。 岩手山の最後の噴火(1719)の際に流れ出た溶岩流が150haの焼走りである。 この柱状節理の岩層の絶壁は、松川玄武岩という。八幡平と…

夏休みで八幡平のハイキングに出かけたが、あいにくの雨で初日から温泉巡りになってしまった。傘をさしたりしながら撮った写真の整理に多少時間がかかりそうだ。 さて、花径3cmほどの黄色い小花をたくさん咲かせているのは、キク科のメランポジウム(Mela…

クサキョウチクトウやシバザクラが含まれるフロクス(Phlox) 属には多くの園芸品種があり、一般にフロックスという属名で流通している。 従来のフロックスに比べ、耐暑性、耐寒性、耐雨性に優れ、春から秋まで長く楽しめる宿根フレックスとして、インテンシ…

紅色の長い花穂が美しいこの花は、ワレモコウ属のカライトソウ(唐糸草、Sanguisorba hakusanensis) という。サングイソルバという属名は、ラテン語 sanguis(血)と sorbeo(吸う)に由来し、ワレモコウのように本属の植物が古くから止血薬として用いられた…

一般にツキミソウ(月見草)あるいは宵待草と呼ばれるのは、主にアカバナ科マツヨイグサ属のオオマツヨイグサ(Oenothera erythrosepala) である。北アメリカ原産の植物をもとにヨーロッパで作出された園芸品種といわれる。 日本には明治初期に渡来し、全国…

榛名山の花を紹介している間に8月になってしまった。7月に近所で見かけた花をもう少し取り上げておく。一般にカスミソウと呼ぶ花には、高性で切り花に向く八重咲きの多年草、シュッコンカスミソウ(Gypsophila paniculata) と、主に一重咲きの一年草、クサ…

伊香保温泉は1300年前には発見され、万葉集にもその名が見られる。温泉の中心は石段街で、戦国時代から江戸時代にかけて作られ、明治時代以来多くの文人が訪れて書き留めている。 石段は麓の関所跡から伊香保神社まで360段あり、その石段を歩くと両側…

白い5弁の小花を集めて20cmほどの穂状花序をのばしているのは、サクラソウ科オカトラノオ属のオカトラノオ(Lysimaia clethroides) という。リシマキアという属名は、マケドニアの王リュシマコス(B.C.300頃)の名にちなむといわれる。 和名のオカトラ…

アヤメ科アヤメ属のノハナショウブ(野花菖蒲、Iris ensata var. spontanea) は、日本全国および北東アジアの草原や湿原に自生している。ハナショウブはノハナショウブから改良された日本独自の園芸植物で、江戸時代末期には流行を迎えたがいつごろから栽培…

榛名湖畔では、ウバユリ属のオオウバユリ(Cardiocrinum cordatum var. glehnii) が大きな姿で咲いていた。属名は、ギリシア語 kardia(心臓)と krinon(ユリの1種)からなり、葉と花の形にちなむ。 ウバユリという和名は姥百合の意で、花が咲くころにしば…