半坪ビオトープの日記

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ヨーロッパでは古くから春を告げる花として親しまれているのが、このクロッカス(Crocus) である。属名クロクスは、サフランに対するギリシア語 krokos(糸)に由来し、花柱が長く糸状に伸びることにちなむ。 クロッカスと総称されるが80種ほど野生種があ…

シルクのような光沢が眩しい黄色のこの花は、キンポウゲ属のラヌンクルス・フィカリア(Ranunculus ficaria) という。日本の夏山に咲くリュウキンカ属のリュウキンカ(立金花、Catha palustris var. membranacea) に似ているので、ヒメリュウキンカ(姫立金…

ソメイヨシノもようやく花開き、春らしくなってきた。今頃、庭の片隅によく咲いている星形の花がこのハナニラ(Ipheion uniflorum) である。属名にはイフェイオンのほかにもいくつかあるが、和名ではハナニラ属といい、明治中ごろに渡来したそうだ。英名は、…

一般にカランコエといえば、赤や黄色やピンクの小花を上向きにたくさん咲かせるブロスフェルディアナ(K. blossfeldiana) を指すが、ほかにランプのように花を下向きに咲かせる種もある。 その一つがこの「ウェンディ」(Kalanchoe cv.'Wendy') という園芸品…

5裂しているルリ色の花弁がくっきりと鮮やかなこの花は、ウィンカ属のツルニチニチソウ(Vinca major) という。属名は、ラテン語 vincio(結ぶ)に由来し、花輪をつくるのにこの植物の長い蔓を用いたことにちなむ。 南ヨーロッパから北アフリカの原産の常緑…

ヒアシンスを小さくしたようなこの花は、ムスカリ属のアルメニアクム(Muscari armeniacum) という。属名は、ギリシア語 moschos(じゃ香)に由来し、ある種の花の匂いにちなむ。 アルメニアおよびイラン西部の原産の球根植物で、ヒアシンスに近い種で、英名…

一般にヒアシンスあるいはヒヤシンスと呼ばれ親しまれているのは、ユリ科ヒアキンツス属オリエンタリス(Hyacinthus orientalis) の園芸品種である。属名は、スパルタの王アミクラテスの王子ヒアキントスに由来する。 ギリシア神話では、太陽神アポロに愛さ…

今年は特に早くサクラが開花したが、急に寒くなって開花が足踏みしている。桜前線に前後して開花するのがモクレン(木蓮)である。大きく分けて、花弁の外側が暗紫紅色のシモクレン(Magnolia quinquepeta(liliflora)) と全体が白色のハクモクレン(M. hepta…

イギリス王立園芸協会によるスイセンの13区分は、さらに花被片と副花冠の色によって細分されている。色は、W・Y・O・P・R・Gの6色で、区分と合わせて表記する。例えば、先日(2月28日)のオランジェリーは、11aW−Yとなる。a は、たまたま第…

半坪ビオトープの池の周りの二本のツバキが満開で、咲き終わった花が次々と池に落ち、水面がほとんど隠れてしまった。ツバキは、昭和初期作出の「大虹」という品種で、江戸古種「明石潟」の白斑変異種である。花径10cmはある極大輪の八重で、狭い所にか…

半日蔭でもよく咲くこの花は、ユキノシタ科ベルゲニア属のヒマラヤユキノシタ(Bergenia stracheyi) という。属名は、フランクフルトの医師で植物学者のベルゲン(Bergen) の名にちなむ。種名はヒマラヤで植物採集したイギリス人ストレイチ(Strachey) の名…

職場の裏庭で鉢植えのシュンランの花が咲きだした。シンビディウム属のシュンラン(春蘭、Cymbidium goeringii) は、中国、朝鮮半島、日本に広く分布する常緑の多年草で、カンラン(寒蘭)とともに東洋ランの一つとして余りにも有名である。 属名は、ギリシ…

艶のある鮮やかな花ビラが特徴的なこの花は、キク科オステオスペルムム属の園芸品種で、レモンシンフォニー(Osteospermum 'Lemon Symphony') という。属名は、ギリシア語の osteon(骨)と sperma(種子)からなる。オステオスペルマムと通称される。 南ア…

春に先駆けて咲くオウバイの仲間で、オウバイより花が一回り大きいこの花は、ソケイ(ヤスミヌム)属のウンナンオウバイ(雲南黄梅、Jasminum mesnyi) という。種名は、中国で植物を採集したメズニー(Mesny)の名にちなむ。別名は、オウバイモドキ、英名は…

ヒイラギのような葉をもち、樹形や花の様子がナンテンに似ているこの木は、メギ科マホニア属のヒイラギナンテン(Mahonia japonica) という。属名は、アメリカの園芸家マクマホンの名にちなむ。和名はヒイラギナンテン属という。 モクセイ科のヒイラギとは縁…

かなり前からジンチョウゲ(沈丁花、Daphne odora)の強い香りが漂い、いよいよ春が来たなと感じる。英名は、winter daphne 、中国名は瑞香、あるいは沈丁香という。 中国中部から雲南、ヒマラヤにかけて分布する常緑低木で、中国では縁起の良い花として古く…

孵化から5日経って、オタマジャクシが300匹ほどになった。しかし、もう一つの卵塊では少しも孵化していない。というよりむしろ育っていない感じがするので、卵塊ごと池に戻した。 オタマジャクシの方は頭がはっきりして元気よく泳いでいる。抜け出た卵塊…

日が当たると開き、日が陰ると閉じてしまうこの花は、ベニジオ・アークトティス(Venidio Arctotis) という名で流通しているが、キク科アルクトティス属の園芸品種である。和名は、ハゴロモギク(羽衣菊)という。 南アフリカ原産の半耐寒性の多年草だが、夏…

もっぱらスイートアリッサム(sweet alyssum)の英名で流通しているこの花は、アブラナ科ロブラリア属のマリティマ(Lobularia maritima)という。 地中海原産の多年草だが、園芸上は一年草で扱う。とはいえ、職場のプランターで育った下の写真の株は、秋に…

新年を祝うめでたい花としてフクジュソウ(福寿草)と呼ばれるこの花は、アドニス属のアムレンシス(Adonis amurensis) という。別名には、元旦草、元日草、賀正蘭、朔日草、報春草などたくさんあるが、漢字が多くどれも昔からの名とは思えない。 朝鮮半島、…

産卵から24日経ってようやくヤマアカガエルの孵化が始まった。まだヘラのようでオタマジャクシらしくないが、ときどき体を震わせて泳ぐ。下の方の寒天質の中にはまだ丸い卵がたくさんある。 二つの卵塊は同じ日に産卵されたはずなのに、これだけ育ちに差が…

枝が次々に3本に分枝していくのでミツマタ(三椏、Edgeworthia chrysantha) と呼ばれるこの花は、ジンチョウゲ科ミツマタ属の花である。中国原産の落葉低木で、樹皮の繊維を和紙の原料としてきた。 黄色い筒型の花が蜂の巣状に集まって咲き、萼の外側には白…

マンサクに続いて咲くサンシュユ(山茱萸、Cornus officinalis)は、ミズキ属の落葉小高木で、3月頃、葉に先立ち枝一面に散形花序をつけ、黄色の小花を密に咲かせる。 朝鮮半島原産で、日本には江戸中期(享保)に薬用植物として渡来した。アキサンゴ(秋珊…

久しぶりに新宿御苑に出かけた。カンザクラやカワヅザクラは盛りを過ぎてしまっていたが、シュゼンジカンザクラ(修善寺寒桜、Prunus × kanzakura 'Rubescens')はまだ満開だった。 カワヅザクラと同様、カンヒザクラ(寒緋桜)とオオシマザクラの交雑種と推…

この花もネモフィラ属で、マクラタ(Nemophila maculata) という。種名は、ギリシア語で点を意味する。ネモフィラ属は北アメリカだけに分布する。このマクラタはカリフォルニア原産で、白い花冠の先端に五つの濃紫色の斑点があり、英名は five-spot という。…

今日はすっかり晴れ上がって暖かくなった。未明にはビオトープのヤマアカガエルが、久しぶりにケロロロロケロロと鳴いていた。空き地ではタンポポがちらほら咲いているが、ほとんどはセイヨウタンポポである。 この白いタンポポは、タラクサクム(タンポポ)…

一般にネモフィラという属名で呼ばれているがいくつかの種があり、これはハゼリソウ科ネモフィラ属のメンジージー(Nemophila menziesii) といい、種名は人名にちなむ。属名は、ギリシア語 nemos(森)と phileo(愛する)に由来し、本属のある種の自生地に…

三月三日は桃の節句で、雛人形を飾り、菱餅やよもぎ餅を食べ、桃の花を供えて酒を飲む。それはいつからのならわしなのであろうか。 古代中国の風俗でも、三月三日の上巳(じょうし)の節句には、水辺に出て禊ぎを行い、酒を飲んで災厄を払ったという。それが…

アセビ属のアセビ(Pieris japonica)は有毒植物で、食べると吐き気、下痢、昏迷が起こり、多量だと呼吸麻痺によって死亡するという。 名の由来は、「あししびれ」が短縮されて「あしび」「アセビ」との解釈が一般的だが、諸説ある。実るのが遅く秋になって…

ようやく春になったので、板橋区立赤塚植物園に出かけた。春早く咲くのはマンサクだが、それより早く1月には咲くのがこのシナマンサク(Hamamelis mollis) という。ハマメリスという属名は、ギリシア語 hama(ともに)と melon(リンゴ、果樹の実)に由来し…