半坪ビオトープの日記

2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

このユリノキは、モクレン科ユリノキ属で、高さ約40mにもなる落葉高木。北米東部原産で、日本には明治初期に渡来した。葉は互生で長さ6〜15cm。形が半纏や奴凧に似ているので、ハンテンボク、ヤッコダコノキ、グンバイノキなどともいう。学名 Lirion…

ネズミモチは関東以西の暖地の海岸などに生える日本原産の常緑小高木で、紫黒色の果実がネズミの糞に、葉がモチノキに似ているところからの名である。ほかにタマツバキ、ネズミノフン、ネズミイボタ、ネズミノマクラなどの名もある。トウネズミモチは、これ…

紫と白の組み合わせが面白く、最近、玄関先や軒先でよく見かける花が、このニオイバンマツリ。熱帯アメリカ原産で、日本には明治末期に渡来し、観賞用に栽培されている。蕃は明治時代の外国を、茉莉はジャスミンを指す。ジャスミンのような芳香があるが、ジ…

ヤマボウシとは、丸い蕾の集まりを法師の坊主頭に、白い総苞をその頭巾に見立てての名。くっきりと白い4枚の総苞が手裏剣のように十字を組む姿が美しい。 本州以南、朝鮮、台湾、中国の山野に生え、高さ5〜10mになる。山では6〜7月に花が咲き、10月…

オーストラリア原産の常緑低木。真っ赤なブラシのような花が異国情緒を感じさせ、一度見たら目に焼きつく特異な花である。学名(属名)の Callistemon =カリステモンは、ギリシア語の Kallos =美しいと、 stemon =雄しべの2語からなり、赤く美しい雄しべが…

これは、植え込みによくある、マルバシャリンバイ。シャリンバイ(車輪梅)は、暖地の海岸に自生する。5月頃、枝先に円錐花序をだし、直径1〜1,5cmの白色の5弁の花を開く。果実は球形で黒紫色に熟し、白粉をかぶる。樹皮は大島つむぎの原料となる。…

職場の裏庭に先日から咲いていたこの花は、ハコネウツギである。卯の花のウツギはユキノシタ科ウツギ属だが、これはスイカズラ科タニウツギ属である。全国の沿海地に自生し、庭木としても広く植えられている。5〜6月、白色から淡紅色、次に紅色に変化する…

このテイカカズラは、最近あちこちで見かける。特に駅前の植え込みや垣根に多用されている。テイカカズラは、本州以南、朝鮮の林内に普通に生える、つる性常緑木本。茎はよく伸び、付着根を出して木や岩を這い上がる。5〜6月、まばらな集散花序を出し、直…

これはトチノキの中でも小柄なベニバナトチノキである。トチノキは日本特産で全国に自生する落葉高木。山地に生え、大きいものは高さ35m直径4mにもなる。5月頃、高さ20cmの円錐花序を何本も直立させたくさんの白い小花を集めて咲くので壮観である…

満開のエゴノキの花にはいろいろなハチが寄ってくる。一番大きなハチがこのクマバチだ。クマバチは花粉や蜜を集めるハナバチの仲間で、つかまない限り人を刺すことはほとんどないから安心だ。 エゴノキは、日本全国、中国、朝鮮の山野や渓流沿いに自生する、…

スイカズラは、スイカズラ科の代表で花の形に特徴がある。全国の山野や道端に普通に見られる半落葉つる性木本で、つるは右巻きである。吸葛とは、花の中の蜜を子供が吸うからという説と、おできの吸出し薬として利用したからという説がある。けれども、唇形…

1坪に満たない狭いビオトープには小さな池が4つあり、普段はヤマアカガエルやヌマエビが静かに暮らしているが、今は水草のなかでオタマジャクシが騒いでいることだろう。池の周りに二本のツバキがあり、その下草にユキノシタやイヌワラビ、ヤブマオ、イノ…

このツキヌキニンドウは、花の形と配色が独特で観賞用に好まれる。スイカズラ(忍冬)やヒョウタンボクと同じ、スイカズラ属の常緑のつる性低木。北米原産で明治中期に渡来した。葉は対生し、花序の下にある葉は枝を完全に取り巻いて一葉となり、茎が葉を突…

通勤途中、ツマグロヒョウモンのオスがイボタノキ(水蠟の木)の花の上を舞っているのを見かけた。イボタノキの花は花冠が8mmほどの筒状花で、先が4裂している小さな花だ。それが3cmほどの総状花序に、純白の米のようにかたまっている。いい香りがす…

5月はじめから花が咲いていたこのピラカンサスは、秋には7mmほどの赤く熟した実を枝にびっしりとつける。小鳥が好んで食べるので、その様子は誰でも見たことがあるに違いない。日本で栽培されているピラカンサスには3種類ある。明治中期に渡来した、西…

今日も暑くて窓を開けて仕事をしていたら、突然チョウが舞い込んできた。見るとツマグロヒョウモンのメスだった。去年の7月から10月にかけて、職場の庭で見かけた幼虫を飼育して10匹ほど羽化させたので、とても懐かしく感じた。 去年の飼育日記に興味の…

先日、職場の近くでキリ(桐)の花が咲いているのを見かけた。農村ならよく見かけるだろうが都会では珍しい。 キリは「枕草子」や「源氏物語」にも登場するノウゼンカズラ科キリ属の落葉高木で、古くから各地に栽培されている。原産地は韓国の鬱陵島といわれ…

街中を歩いていて強烈な花の香に気づくのは、春先のジンチョウゲとこのソケイが代表格だろう。ソケイはインド原産の香料植物で、古代ペルシャを経てヨーロッパに入った。日本には中国から渡来した。花から取れる香料をジャスミンといい、属名にもなっている…

黄色が鮮やかなエニシダの花が盛りを過ぎてもまだ咲いている。 地中海沿岸が原産で、日本には江戸時代の延宝年間(1673〜81年)に渡来したとされる。古くから世界中に広まり観賞用として栽培され、緑色の長い枝に黄色の蝶形花が連なる風情が好まれる。…

卯の花の匂う垣根にほととぎす早も来鳴きて・・・夏は来ぬ、と歌われるように、卯の花は初夏を告げる花である。万葉集に24首見られ、ホトトギスとともに詠まれることが多い。日本全国及び中国の山野に自生し、垣根にもよく植えられている。今年は特に早く…

奥鬼怒温泉郷の加仁湯の裏手でショウジョウバカマを見かけた。 紅紫色の花を中国の想像上の猩々に、下方に拡がる根生葉を袴に見立てて名付けられた。日本全国及びサハリン、朝鮮の湿原や山地の渓流沿いに自生する。雪解けを待つように、長さ10〜20cmの…

月山へ向かう道端で、フデリンドウが咲いているのを見つけた。 春に咲くリンドウには、ハルリンドウとフデリンドウとコケリンドウがあるが、これは日本全国および東アジアの温帯に広く分布するフデリンドウ。花の様子が筆の穂先に似ているためにこの名が付い…

奥鬼怒の川俣温泉や湯西川温泉を含む旧栗山村は昨年日光市に統合され栗山地区となった。その中央、日蔭のはずれ、栗山ダムの近くに月山(1287m)があり、その山腹にヤシオツツジが群生している。ヤシオツツジとは、アケボノツツジの変種で、アカヤシオ…

栗山地区には土呂部の谷向いに近い家康の里にもミズバショウの自生地が知られているが、たった5cmの芽が一つ残るだけで全滅状態だった。もともと裏山の斜面の狭い湿地が自生地だったが、人目もない上に何の保護策も講じられていなかった。秘境といえど至…

土呂部のミズバショウ自生地は防護柵で囲われていたが、その外側にカタクリがちらほら咲いていた。 日本全国に自生するが本州の中部以北に多い、ユリ科の多年草。3〜5月、雪解けとともに山野の林下に径5cmほどの淡紅紫色の一花を咲かせる。6枚の花被片…

連休は奥鬼怒の川俣温泉、日光沢温泉、八丁の湯、湯西川温泉とはしごしながら、緑の競演のような新緑の渓谷から雪解け直後の芽吹き始めの樹林帯までを散策した。花はまだ少なかったが、それでもミズバショウ、カタクリ、ショウジョウバカマなどが見られた。 …

フジもヤマフジも本州、四国、九州の山地に自生する日本固有の花である。古来より上下を問わず愛好され、牛島のフジなど各地に老樹、名木が少なくない。フジの花は紫で清麗高貴なその色香と、全盛を誇った藤原氏とのゆかりから、平安時代以来、家紋や蒔絵、…

花柄や萼片にさわると粘る特徴があり、モチツツジという。原種は伊豆半島以西、四国に自生し、花冠は全裂していない。元禄5年(1692年)、江戸染井の植木屋が著したツツジの本「錦刺繍枕」に名の由来が記されているが、万葉集などに古くから見られるイ…

ガマズミ類の花は白い散状花序と、秋に赤く熟す果実が共通して好まれるが、このチョウジガマズミの花はとてもしっとりとして感じがよい。中国地方、四国、九州、朝鮮中南部の山地に稀に自生する。高さ1〜3mになり、葉は対生する。4〜5月、枝先から散房…